韓国語の勉強をこれまでしてきて、上級者レベルになると、できることも増えて学習が楽しいですよね。一方で、韓国語スキルをもっと高めるために、次のスキルアップ方法がわからず、模索していませんか?
韓国語の日常会話でも困らず、文章を書いたり読んだりするのも困らなくなると、これ以上の勉強がわからないという方には、資格の取得がおすすめです。
すでに韓国語能力試験やハングル能力試験で上位の級を取得したあなたも、次は国家資格に挑戦してみませんか。
国家資格とは、ずばり通訳案内士です。
通訳案内士の資格は、韓国語でも取ることができます。
通訳案内士資格を取得したからといって、必ずしも通訳案内士を職業にしなくても大丈夫ですし、もちろん通訳ガイドとして活躍することもできます。
この記事では、韓国語の通訳案内士資格を実際に取得した私が、なぜ韓国語上級者に資格取得をおすすめするのか、またどのような勉強法がおすすめなのかをご紹介します。あなたの韓国語スキルアップのご参考になれば幸いです。
※2017年に新たに「地域通訳案内士」精度が設けられましたが、この記事で表記する「通訳案内士」は、すべて国家資格である「全国通訳案内士」のことを述べております。
【韓国語】上級者に通訳案内士資格取得をおすすめする理由3選
韓国語の上級者に、是非とも韓国語の通訳案内士資格の取得を目指して欲しい!その理由は大きく分けて3つあります。
(1)通訳案内士は語学の資格で唯一の国家資格
(2)通訳案内士は最上級レベルの韓国語資格なので勉強する甲斐あり
(3)通訳案内士の勉強で日本の知識が身につく
それぞれ、順番にみていきましょう。
(1)通訳案内士は語学の資格で唯一の国家資格
まず初めに挙げられるのは、通訳案内士は語学の資格で唯一の国家資格であることが、おすすめする理由です。通訳案内士とは、通訳案内士法で定められた国土交通省認定の国家資格です。
資格があるからと言って通訳になれたり翻訳の仕事ができるというわけではないのが、通訳翻訳業界です。
資格取得後、所定の手続きを経て通訳案内士として活動することもできますし、また転職活動の際に履歴書に所有資格として書くこともできます。
資格がすべてとはいいませんが、せっかく韓国語を勉強して上級レベルになったのなら、是非とも最高峰の資格取得にチャレンジしてみませんか。
(2)通訳案内士は最上級レベルの韓国語資格なので勉強する甲斐あり
韓国語の通訳案内士試験は、最上級レベルの韓国語の資格です。通訳案内士の試験科目は、以下のようになっています。
一次試験(筆記試験)
- 外国語(韓国語で受験する場合は韓国語)
- 日本地理
- 日本歴史
- 産業・経済・政治及び文化に関する一般常識
- 通訳案内の実務
一次試験に合格すれば、二次試験で面接に臨みます。
外国語(韓国語)試験については、ハングル能力試験で1級か、もしくはTOPIK韓国語能力試験6級230点以上を取得していれば、一次の外国語(韓国語)試験が免除されます。
ハングル能力試験1級は相当難易度が高く、合格率が低いことで有名ですが、1級を所有していれば通訳案内士試験の韓国語が免除されるということは、通訳案内士の韓国語試験それ相応の難易度ということですね。
ちなみに英語の通訳案内士試験の場合、英語の科目が免除されるのは、実用英語技能検定(英検)1級か、TOEIC L&R 900点以上の場合です。難易度がかなり高いです!
(3)通訳案内士の勉強で日本の知識が身につく
通訳案内士とは、その名前の通り、日本において外国人に観光案内をする仕事です。
そのため、試験科目には、外国語の他にも「日本地理」「日本歴史」「一般常識」もあり、まるで学生の頃のように地理や歴史も勉強することになります。
実際に韓国人や外国人の友人が日本に遊びにきたら、あなたのお住まいのおすすめ観光地を案内しませんか?
その際に、意外と知らない神社仏閣の歴史や、日本の風習があることを自覚することも多いでしょう。
通訳案内士の試験勉強を通して、学生時代に習ったであろう歴史や地理のおさらいができ、また一般常識の勉強もできます。日本についての話題は、韓国人の方との会話にも生かすことができ、またそういった日本の知識を韓国の方に話すと喜ばれることも多いですよ。
【韓国語】通訳案内士になるには?収入や需要などを解説
通訳案内士の資格を取得するには、先に述べたすべての試験科目(外国語、日本地理、日本歴史、一般常識、通訳案内の実務)に合格することが必要です。
全国通訳案内士試験の概要などは、主催元のJNTOホームページをご参照ください。
いざ通訳案内士資格を取得した後は、居住する都道府県で登録手続きを済ませると、「全国通訳案内士登録証」が発行されます。
ガイド業を行いたい場合は、研修を実施している団体でトレーニングを積むのが良いです。
通訳案内士の需要という面で見ると、英語や中国語は比較的安定していますが、韓国語は通訳案内士専門ではなかなか収入が安定しにくい面があります。英語や中国語は、人口も多く、また英語圏や中国圏からの団体ツアーも多く、観光ガイドも活躍しやすいです。
一方で、韓国からの観光客は個人で来ることが多いため、なかなか正式な観光ガイドを雇うという需要が常にあるとは言い難い状況です。
韓国語の場合、普段はフリーランスの通訳をしており、通訳案内士としての仕事をすることは年に数回あるかないか、という状況が多いです。実際に私の友人はそのような仕事の仕方をしていますよ。
【私の体験談】韓国語通訳案内士の勉強方法
実際に私は、通訳案内士になりたいというよりは、スキルアップのために韓国語の通訳案内士資格を取得しました。すでに社会人として10年ほど働き、当時韓国大手メーカーの日本研究所で社内通訳翻訳業についていた時でした。
ハロー通訳アカデミーのメルマガを読み、情報を取り入れました。
すごいのは、教材が無料公開されていること。
私は日本歴史、地理、一般常識については、教材をすべて印刷して、大学の受験勉強のごとく一通り勉強し、ひたすら問題を解きました。当時はなかったのですが、今は動画教材もあります。
外国語試験についても、独特な単語の訳語が出題されるので、過去問の傾向対策はしっかり読んで何度も問題を解いた方が良いです。過去問もハロー通訳アカデミーのホームページから見ることができるので、大変ありがたいです。
二次試験の出題内容についても、生徒さんの寄せた投稿が載っているので、とても参考になりますよ!
1回目の受験では、外国語(韓国語)の科目試験が不合格となり、相当ショックだったことをよく覚えています。
そのほかの科目はすべて合格したので、翌年の一次試験は不合格だった外国語(韓国語)試験のみ受験し、無事に合格。
合格した科目は、その翌年に限り受験免除されるので、なんとしても翌年に合格したい思いでした。その後の二次試験にも合格し、2年越しに韓国語通訳案内士の資格を取得できました。
この時、過去問と同じ単語問題が出たのを今でも覚えています。過去問は必ず頭に叩き込むことをおすすめします!
まとめ
この記事では、韓国語の通訳案内士試験について述べてきました。
上級の韓国語を習得したのであれば、韓国語の通訳案内士の取得をおすすめする理由は3つありましたね。また、通訳案内士になる方法や収入、需要についてもお話しし、私がどのような勉強をして通訳案内士の資格を取得したのかも惜しみなくご紹介しました。
通訳案内士の試験は、国家試験である以上、ある程度難関です。
軽い気持ちで受験すると挫折してしまいます。得意の外国語(韓国語)意外にも、日本歴史や日本地理、一般常識なども出題科目として必須であり、範囲も広いため、「なぜ今こんな学生時代のような勉強をしているのだろう」と思うこともあります。
ですが、せっかく上級の韓国語を身につけたのなら、それを最高の「資格」として取得し、履歴書上でも目に見える形で表現できることは、あなたのスキルアピールの大きなメリットとなります。是非とも、韓国語の通訳案内士の勉強を通して、韓国語のスキルも磨いていっていただきたいです。
また、韓国語の通訳スクールに興味がある方は、こちらの記事もご参考ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。